股関節の痛み

●筋力低下や柔軟性低下

股関節周辺にあるお尻や太ももの筋肉の筋力や柔軟性が低下することで、股関節に負担がかかり痛みを出すとされています。
また、体幹の筋力低下や腸腰筋を使わないことによる筋の不活化でも、不安定になることがあります。

 

●姿勢によるもの

長時間の同一姿勢や不良姿勢が原因で血行が悪くなり股関節の筋肉が緊張してしまいます。
それにより、股関節に痛みが生じるとされています。

 

●身体の使い方

間違ったフォームでのトレーニングや歩き方のくせで足の裏の筋肉の不活化があることでも、股関節に負担がかかります。
また、上半身と下半身の動きのバランスが悪く、股関節に負担をかけてしまうこともあります。

 

●加齢によるもの

変形性膝関節症や大腿直筋の硬化・短縮が原因で、股関節に痛みが出ることがあります。
高齢者の方は変形性膝関節症だけでなく、筋力低下や関節の変性によっても負担がかかりやすいため、股関節の痛みを引き起こしやすいといわれています。

●関節の痛み

股関節は動きの大きい関節ですが、日常生活では動く範囲は限られています。
不意な動作や角度によって、普段使用していない範囲や筋力を使うと関節に痛みを生じることがあります。
階段の上り降り、同一姿勢からの動き出しといった日常生活での動作によって、痛みを訴える方が多くいらっしゃいます。
また、スポーツをする方などでも身体を屈みこむ際、キック動作の初期や終期での痛みを訴える方が多く見受けられます。

 

●動作の制限

お尻、太ももといった股関節周辺の筋肉に硬さが出ると、股関節を伸展（後ろに伸ばす）させた際、動かしづらさを感じることがあります。
また、反対に股関節を抱え込むように曲げる動作を行った際にも、詰まるような動かしづらさや痛みを感じる場合があります。

 

●荷重時に痛い

股関節に痛みがある際には、動かさなくとも体重をかけるだけで痛みを感じることがあります。
そのような場合、立っているだけでも痛みを感じるため、痛くない側の足に体重をかけることで痛みを避けるようになります。
痛みをかばい、身体や筋肉のバランスが崩れてしまうと、股関節だけでなくほかの部位にも負担がかかってしまうため注意が必要です。

●体幹の筋力強化

股関節の痛みには、体幹の筋力強化が大切です。
体幹が安定しないと股関節を動かすことが出来ません。
股関節と体幹を一体として使用すると、股関節の柔軟性を上げていく事が出来なくなります。
身体が安定すると、関節にかかる負担が軽減されます。

主に腹筋や背筋といった大きな筋肉や、深部で身体を支えるインナーマッスルを鍛えることをおすすめします。
日頃からお腹を少し凹ませるような意識をもつことでも、お腹の深部の筋肉の活動性を上げる事ができます。

 

●ストレッチ

筋肉が硬くなってしまうことで痛みが出ることが多いため、日頃から筋肉の柔軟性を保つことが重要です。
仰向けになった状態で片方ずつ膝を90度に曲げ、外側に開いたり内側に倒したりするストレッチを行います。
この時もお腹を少し凹ませることで、股関節の内側の筋肉やお尻の筋肉をストレッチできます。
四つ這いになってお尻を斜め後ろや横に押しだしていくストレッチがおすすめです。
お風呂上りなど身体が温まっている状態で行うことが効果的です。

 

●入浴

身体をしっかりと温めることで血流が促進し、硬くなった筋肉の緊張も和らげることが期待できます。
特に女性は骨盤まわりの血流が悪くなりやすいため、しっかりと湯船に浸かって身体を芯から温めることが重要です。

 

●体幹と股関節の運動分離

股関節を動かす筋肉を正しく使うため、体幹との分離運動を意識することが重要です。
股関節を単独で動かすことで筋力の低下を防げるため、痛みの予防にも繋がると言われています。
この場合もお腹を軽く凹ませて、お尻の筋肉の収縮を確認しながら足をゆっくり大きく回してみましょう。
いつもと違う動作を入れていくことで、運動の分離を狙っていきます。