超音波療法

超音波療法は、人の耳には聞こえない周波数の音波を身体に照射します。
音波によって細胞組織に機械的な振動を起こし、摩擦熱を発生させるのです。

周波数によって皮膚から2～3㎝の浅い部分や、6～9㎝の深い部分までアプローチできるといわれています。
超音波療法による効果はさまざまであり、急性の症状・慢性の症状共に使用されることが多い施術です。

伊藤超短波の「オステオトロンV」を例に仕組みをご紹介します。
オステオトロンVは音圧効果により、骨折部位の仮骨（かこつ）の形成を促進し、骨癒合にかかる期間を約40％も短縮するとされています。
また、周波数を調整することで、身体の浅い部分から深い部分までさまざまな症状に対応が可能です。

超音波療法は「プローブ」と呼ばれる身体に触れる金属部分があります。
これまでの超音波では、「ヒヤッとする」「直接金属部分が触れて痛みを感じることがある」といったデメリットがありましたが、オステオトロンVはこのプローブが直接肌に触れないため、痛みなどを感じにくいことが特徴です。

また、酸素カプセル内で使用することでより高い効果が得られるといわれています。

超音波療法の施術効果は次の通りとなります。

●血流促進

超音波療法を行うことで細胞の摩擦熱を生み、温熱作用によって血流の促進が期待されます。
深部の筋肉でも超音波療法であればアプローチが可能です。

 

●鎮痛効果

深部の細胞に超音波を照射することで傷ついた筋組織や軟部組織の働きを活性化させ、痛みを早期に取り除く効果が期待できます。

 

●炎症抑制作用

炎症部位には通常手技療法は行えませんが、超音波療法は炎症部位にも使用可能です。
細胞の働きを促進し、炎症を早期に抑える効果があるとされます。

超音波療法によって改善が見込まれる主な症状は、次の通りとなります。
※骨折・脱臼の早期回復に使用する際は医師の同意が必要です。

●骨折

骨折部位に超音波療法を行うことで、骨芽細胞（こつがさいぼう）の働きを促進し、仮骨の形成を早める効果が期待されます。
これにより、通常よりも早い期間で骨癒合が可能です。

 

●脱臼や捻挫

超音波によって、脱臼や捻挫で痛めた靭帯・関節包・周囲筋の修復を促進できます。
また、受傷直後の炎症を抑える効果にも期待できます。

 

●打撲

打撲による腫れや皮下出血などに、超音波療法が有効とされています。
皮下出血斑を早期に改善し腫れや痛みを抑えることで、ケガの早期改善が可能となります。

 

●挫傷（肉離れ）

ふくらはぎや太ももの肉離れは、症状が重いもので筋の断裂や陥凹（かんおう）、離れた部位への皮下出血斑（内出血）を確認することがあります。
超音波療法を行うことで筋組織の修復を早めて皮下出血斑を除去し、痛みや炎症の抑制に効果があるとされます。

 

●慢性痛

慢性的な肩こりや腰痛といった症状にも超音波療法は有効とされています。
疲労が蓄積し硬くなってしまった筋肉を深部から和らげ、血流を促進することで痛みの改善につながるとされています。
手技では届かない深部まで緩められるため、長年悩まされている肩こりや腰痛の改善も期待できます。