骨折・脱臼

骨が持っている強度以上の強い外力が加わり、骨にひびが入る、折れる、砕けるといった状態を指します。
骨折には次のような種類があります。

●完全骨折

完全骨折は骨の連続性が完全に断たれた状態になります。

 

●不全骨折

不全骨折は骨の連続性は保ちつつ、部分的に骨の損傷がみられる状態のことを指します。
そのため、一般的なひびは骨の連続性が保たれている状態なので、不全骨折に含まれます。

 

●疲労骨折

外力が持続的に作用し、それが蓄積して起こるとされています。

 

●病的骨折

骨の周りに腫瘍や転移がん、骨粗しょう症などの疾患がある場合は、骨の強度が低下しているため軽微な外力で骨折を起こしてしまいます。

●異常可動性（異常運動）

骨折によって、可動性がない部位で骨が大きく動いてしまう状態です。

 

●軋轢音

異常運動の際に骨折端が互いに触れ合って出す音とされています。

 

●転位・変形

骨折により骨折端がずれたり曲がったりしてしまう、このように骨の位置が変わることを転位といいます。
転位によって外見上の変形が現れることもあります。

 

●骨折の併発症

骨折での併発症として関節、筋・腱などの軟部組織、内臓、脳脊髄、血管、末梢神経などが損傷してしまう場合があります。

●完全脱臼

完全に関節が外れて、関節面が離れてしまった脱臼です。

 

●不全脱臼

部分的に外れていますが、関節面の一部は接している脱臼です。

 

●外傷性脱臼

外傷性脱臼は、原因が外傷によって関節の骨が正常な位置からずれてしまった状態を指します。

 

●習慣性脱臼

習慣性脱臼は関節の形や筋肉のバランスなどの先天性の身体の構造が原因で起こる脱臼のことをいいます。

脱臼の症状には疼痛、腫脹（しゅちょう）、関節血腫、機能障害などが挙げられます。

脱臼を起こした場合（関節が外れた）部位は、関節周囲の骨折や軟骨の損傷、剥離骨折などを併発する場合があります。
直ぐに専門機関に相談をしましょう。

適切な処置を怠ると、小さい外力によって脱臼を繰り返すことがあります。

骨折・脱臼が疑われる場合、次のように対処していきます。

骨折・脱臼の疑いがある際は、損傷部位の痛みを最小限に抑えるため、患部が動かないように添え木などの硬いものを当てて保護し損傷が広がることを防ぎます。

次に、損傷部位を圧迫したあと、除痛や出血を抑えるために冷却を行います。
損傷部位は心臓より高くすることで血流の抑制を図ります。

そして、出来る限り早く医療機関や整骨院にご相談ください。
整骨院では骨折・脱臼の応急処置を行います。
骨折・脱臼の疑いがある患者様については一度、医療機関に紹介を出します。
医療機関での同意を得た場合であれば、整骨院での施術やリハビリが可能です。

骨折・脱臼を起こさないように日頃からケガをしにくい状態を作ることが重要です。
具体的には次のような予防法があります。

●ストレッチや筋トレ

日頃からストレッチや筋トレを行うことで、筋肉の柔軟性を保ち筋力低下を防げるため、骨折・脱臼の予防に繋がるとされています。
筋肉が硬い状態で身体を動かすことは、ケガのリスクを高めてしまうこともあるので注意が必要です。

 

●ウォーミングアップやクールダウンを習慣化する

運動前にしっかりウォーミングアップをすることで、筋肉が温まり動かしやすくなります。
筋肉が動かしやすくなるととっさのケガを防げる可能性が高まります。

また動かした筋肉を運動後にクールダウンすることは疲労の蓄積を防ぐこととなり、疲労骨折等のリスクを下げる効果が期待できます。

 

●運動時はテーピングやサポーターを着用する

運動の際にケガのリスクを軽減するために、テーピングやサポーターを着用することをおすすめしています。
サポーターやテーピングには関節を安定させる効果があるため、不意な力が加わっても関節を保護してくれるとされています。